東京放浪備忘録5

今回は東京で感じたお金の大切さについて書こうと思います。

まず僕が上京するにあたって1番誤算だったことはお金が全然入らなかったことです。
というのも、休学する前に僕は大学で自転車で階段のスロープを下って、転んで肘を粉砕してしまいしばらく入院していました(笑)この怪我はかなり酷く脱臼骨折だけでなく、靭帯や神経も損傷しており、めっちゃ大事な骨もバキバキというもので、3回も手術をしました。幸いにも親の保険と学校の保険で入院費用等は大丈夫だったのですが、ここで「そんだけの怪我をしたのだから、保険が結構おりるのでは?」という話を聞き、僕は真に受けてしまいました。おそらく春頃に20万くらい入るだろうとたかを括って、上京したのですが、実際に僕に残ったお金は入院日数×2000円の44,000円でした(笑)

何を始めるにもお金がいるので、日雇いのバイトをするのですが、僕はこんな寒い中野宿してまで東京にバイトをしに来たのだろうかとネガティブなことばかり考えるようになりました。お金がないので電車賃も削っていたので何時間も歩いて移動するのですが、そんな時間こそ自己嫌悪に陥ってました。本当に何のアテもなく、何も決めずに来てしまったのでこれからの一年に対する不安やこんなことなら普通に大学に通っていればよかったという後悔をしたこともありました。ポーカーばかりしていたのも現実逃避の面もあったのかもしれないです。

しかし僕はかなり恵まれていたと思います。いざとなったら泊めてくれたりお金を貸してくれる友達がいたので本当に寒い日や雨の日はは漫画喫茶で過ごすことができましたし、バットビートを食らってもリエントリーすることができました(笑)

東京には沢山のホームレスの方がいて、どんなに寒くても段ボールでしか寒さを凌げなかったり、どんなに大雨でも地下鉄や橋の下で過ごすしかない方が沢山いらっしゃいました。世界の貧困は大きく取り上げますが、こんな豊かな国である日本にも大なり小なり貧困があって、そんな風景が日常の一部になっているのがとても悲しかったです。

猛威をふるうコロナウィルスによりロックダウン寸前の3月末の東京では、4月からネットカフェが閉鎖されることとなりました。ただ東京には家がなく漫画喫茶で生活せざるを得ない“ネカフェ難民”と呼ばれる若者が沢山います。そんな方々を支援する団体もあり、ホテルの提供や金銭面の支援をしていて僕も色々調べたりしたのですが、本当に支援を必要としてる方がいるのにこのまま滞在できないと思い東京を離れることを決意します。